熊本市の中心から3kmの新興住宅地で、建物が密集している。たはしてこの土地で持論のエアコン不要の家づくりが可能だろうか?
 風の流れには水平移動と、垂直移動とがある。今回はその両方を採用することにした。水平移動については、南道路伝いに流れる風を南西方向の窓から取り入れ、欄間をぬけて玄関と洗面所を通って出てゆく。垂直移動の風は、居間の吹き抜けを通って二階の北窓から出ていく。一階の玄関・洗面所・浴室の天井を低くして、梁高を30cm下げたのは、二階の北窓を大きく採るためだ。階段踊り場の掛け障子や手摺、本箱の上下の穴を通って風は動く。
 南の窓にすだれを掛け、風で揺れる姿を見て涼しさを感じるようにするのも納涼手法の一つである。