日本では古いものは汚い・使いにくいと言って捨ててしまう。昔、建具にはケヤキ・桧柾・赤杉等最高の材料を使っていた。魚で言えばマグロの上トロである。そして、木材は古くなればタンニン成分が表面に出て赤黒くなる。その赤黒くなったものに日本人は差を見つけた。しかし、多量生産・多量消費の時代の到来で、その美意識はだんだん無くなってしまった。でも、完全に消えたわけではなかった。一部で骨董趣味という形で残った。
 この家には、桜の大黒柱を中心に古い梁・古い建具を使った。古い材料を転用したことで、100年近く前の職人の仕事に触れる感じがする。