建築地:水俣市

H25年3月竣工

延べ面積 69.37u(20.9坪)

敷地面積 215u

設計:古川保・井出美奈子

施工:川畑建築 棟梁:川畑貢

 
     
 東京から熊本に移住するのに選んだ場所が水俣だった。水俣港のすぐ上に位置し、不知火海に沈む太陽を一望できる。太陽は西に沈む。夏は特に水平から差し込む太陽の光が厳しい。眺望は欲しいし、西風も欲しい。しかし、台風の直撃は避けたい。西日も避けたい。西の軒は2尺にして、窓の直上に小庇を付けて、夏はスダレをかけるようにした。

 西に樹木を植え、訪れた人からは不知火海は見えないようにしている。家に入り玄関から、リビングにたどり着いたとき、西窓の額の中に納まった不知火海は絵画と化す。東から太陽は上がり西へ沈むことは、どの家にも平等にあたえられているのに、海があれば格別に思え、更に窓額を付けると感動は数十倍にも上がる。当たり前の日常を特別に仕立てるのも家づくりである。建築材料に、大理石を使うでもなく、高級な銘木を使うのでもなく、高級なシステムキッチンを採用するでもなく、その土地にしかない自然を利用したほうが賢い。同様に家つくりも自然がよい。地元の土と竹と藁と紙と木で作った。自然から頂いたものは用が済んだら自然にお返しするのが人のエチケットであると、環境モデル都市水俣から発信したい。