調整区域の家
建築地:熊本市谷尾崎
竣工2009年10月  
土地面積:1242u 延べ面積:106.68u(32.3坪)
設計:古川保・白浜美奈子 施工:楠元建設 棟梁:平田保
 
熊本市近郊の調整区域の中の既存宅地が売りに出た。調整区域は以前に家が建っていれば新築が可能である。調整区域地は分割して販売ができないので、広い土地が割安である。この土地は平坦ではなく、畑や小さな林が付いていて、丘を一つ買うようなものだ。50種を超える樹木、竹林、馬頭観音が2つ、そして掘り井戸もある。
   
施主は1年あまり土地を探していてどの土地も気に入らなかったが、この土地を一目見て決断をした。内部に熱容量の大きな土壁。その外を断熱材で囲むのは理想的な温熱環境の家づくりだ。12月の寒い時期に新築祝いをしたが、気温は12度で窓を開け放しにしても寒さを感じない。土壁の蓄熱効果なのか、薪ストーブの輻射熱効果なのかは分からない。温度だけで温熱環境をコントロールし、湿度を低めにする高気密高断熱の家は、気温を27度以上にしないと温かさを感じない。27度の室温だと外気温との差が出て隙間風が気になり、ますます家を密閉する。密閉すると湿度が上昇する。内部結露防止のため壁下地にビニール等の防湿層を入れると、室内の人間は不快に感じる。人間が快適さを感じるのは温度、湿度、輻射、風等であるが、温度が分かりやすいので、部屋の温度だけで表現することが多い。温度、湿度、輻射、風等を総合的に考えて、エネルギーも少なく、結露も発生しない家づくりを考えたいものだ。