施主は1年あまり土地を探していてどの土地も気に入らなかったが、この土地を一目見て決断をした。内部に熱容量の大きな土壁。その外を断熱材で囲むのは理想的な温熱環境の家づくりだ。12月の寒い時期に新築祝いをしたが、気温は12度で窓を開け放しにしても寒さを感じない。土壁の蓄熱効果なのか、薪ストーブの輻射熱効果なのかは分からない。温度だけで温熱環境をコントロールし、湿度を低めにする高気密高断熱の家は、気温を27度以上にしないと温かさを感じない。27度の室温だと外気温との差が出て隙間風が気になり、ますます家を密閉する。密閉すると湿度が上昇する。内部結露防止のため壁下地にビニール等の防湿層を入れると、室内の人間は不快に感じる。人間が快適さを感じるのは温度、湿度、輻射、風等であるが、温度が分かりやすいので、部屋の温度だけで表現することが多い。温度、湿度、輻射、風等を総合的に考えて、エネルギーも少なく、結露も発生しない家づくりを考えたいものだ。 |
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