建築地:熊本市保田窪

H24年10月竣工
延床面積 115.45u(35坪)
 敷地面積 249u(75坪)

設計:古川保・和田恵利子
   施工:楠元建設 棟梁:平田保

 
 
 施主の奥様がお茶の先生をされていて、お茶席の要望があった。お茶席となれば、まず、待合、手水鉢、躙り口、お茶室までの課程を踏まなければならず、さらに裏舞台として水屋も必要となってくる。これをひとつの住宅で完結させるには、建築費や面積の条件が限られており住宅の座敷とも兼ねることにした。

 座敷までの廊下に畳を敷き、タンスの前に障子を立て仕切り壁とし、扉の前に軸をかければこれだけで待合になる。水屋には通常お客さんは入れないが、通路としても使えるように水屋流しの前に杉の木製ブラインドを仕込んでいる。炉の時期、風炉の時期と季節に応じてお点前と道具も変わるため、可変性が求められ、それらをしまう大容量の収納も確保せねばならない。床下、階段下、水屋、玄関に至るまで座敷周辺に物入を配している。 

 この家のもうひとつの特徴はその屋根形状である。敷地の形状から間取りはほぼ正方形のプランとなり、屋根を寄棟屋根としている。また、南北方向にも奥行きがあるので家の中央部分は暗くなりやすい。さらに、座敷周りはお茶の道具で占領されてしまったので、それ以外の物をしまう場所を別に確保する必要があった。この為、寄棟の中央に腰屋根を付け、そこの空間を障子で仕切るだけの開放的なロフトとして収納と採光を確保し、腰屋根の窓から風が抜ける仕組みとなっている。