M様邸 宇土市野鶴
2010年11月竣工
延床面積 118.88u(35.89坪)
設計:古川保・古川亮
施工:楠元建設 棟梁:平田保

 築80年、現在使っていない空き家がある。本家なので思い出をたくさん詰まっている。分家や親戚の人から残せと言われたMが再生が可能かとの相談に来られた。母屋は中二階の良くある古民家であり、水廻り部分が増築してあった。別棟に松材で造られていた米屋店舗があった。つまり、杉材の住居部とは新建材の増築部と松材の店舗部で構成されている家ということだ。松材建築部は白蟻被害が著しく100%被害状況で建っているのが不思議な位だった。杉材の住居部には被害が見当たらなかった。外見から判断できない柱6本を根元を2センチ切り確認したが、白蟻被害はなかった。松材と杉材で明暗がはっきりした建築だった。松材を食いつくし次に杉に行こうとした矢先だったのかもしれない。新建材部は耐久性上切り離し、一部増築し再生工事を行った。
 この辺は地盤が超軟弱である。杭を打つには支持層が深すぎた。建築地は表面だけ石灰を敷き込んで固くしてあったので、基礎底面を広くする程度の対処工事とした。伝統構法は基礎と建築が分離しているので基礎が沈下しても建物の嵩上げ工事は簡単である。